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今日は何を撮りに行こうかな?

【雑記】SONY α7R IIユーザとしてNikon Z7/Z6とCanon EOS Rに思うこと

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平成最後の夏、8月24日にNikonからZ7/Z6、そして昨日(9月5日)CanonからEOS Rが発表されて一眼レフのツートップからフルサイズミラーレス一眼が発表された。

自分は2014年秋にSONY α7でフルサイズミラーレス一眼デビューをして、2017年夏にα7R IIを購入した。手持ちのEマウントFEレンズは現時点で5本(ZEISS 3本、G 2本)で今後もこのマウントと共に歩むつもりだが、CanonとNikonという一眼レフのツートップからフルサイズミラーレス一眼が出て「うーん、これはどうなんだろうか?」と思うことがあったので今回記事にした。

新マウント対応レンズが充実するかが心配

スペックシートを見て思うことも多々あるが、それよりも個人的に気になったのはSONYがα7シリーズを発表してから最近まで言われてきた「SONYのα7シリーズはボディ性能はいいけど、対応するレンズが少ないのが…」問題。

ロードマップは先行するSONYと変わらない

NikonはZマウント、CanonはRFマウントとフルサイズのミラーレス一眼用に新マウントを開発して直近で発売予定のレンズはNikonが3本、Canonが4本である。その後のロードマップはNikonが年に6本ペース、Canonは未定としている。CanonはWebでの公開はしていないが発表会でスライドにはあった模様。キヤノン、新“RFマウント”搭載のフルサイズミラーレス「EOS R」 - AV Watch

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https://www.nikon.co.jp/news/2018/0823_nikkor-z_02.htm

SONYは2013年の発売当初が3本で計画通り年間5本ずつ新型を出して間もなく5年が経ちSONY純正レンズは25本、サードパーティを含めると100本近くなり十分な数となっている(価格コムで"α Eマウント系"+"フルサイズ対応"で抽出)。

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https://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/201310/13-1016B/

一眼レフ資産(Aマウント)が活かされなかったSONY

SONY α7シリーズはマウントアダプタで一眼レフのAマウントが使えたが、FマウントやEFマウントと比べてAマウントのシェアは低くて神レンズと呼ばれるものもほとんどなく、手ぶれ補正機構もAマウントはボディ内でα7第1世代(α7 無印/R/S)がレンズ内だったことからも自分の観測範囲においてAマウントを使っている人はほとんど見かけなかった(寧ろ、オールドレンズの方が…)。

ただ、2013年に発売された中に神レンズのSEL55F18Zがあり、このレンズがα7シリーズ普及に大きく貢献したレンズと言っても過言ではなく、このレンズを使いたいが為にα7シリーズに手を出した人は結構いたはず。

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一眼レフ資産が活きるNikonとCanon

NikonもCanonもマウントアダプタによって一眼レフで作り上げてきたFマウントやEFマウントの資産が活きてくるし、銘玉と呼ばれるものも数多くある。

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これには一長一短があると個人的には考えており、ここからは完全に推測・妄想で「こんな事態になるのでは?」といち消費者・いちカメラファンとして思うことである。

レンズよりマウントアダプタが売れる?

Z7/Z6もEOS Rも購入する人の大半はこれからカメラを始める人ではなくこれまで同社のカメラを使ってきていてレンズ資産を活かすのに手持ちの一眼レフと同じメーカーを購入する人が多い。

しかし、一眼レフを捨てる覚悟で飛びつく人は少なく「とりあえず対応するマウントのレンズ1つとマウントアダプタを買うか」となればいい方で、「マウントアダプタがあれば今までの資産が使えるからレンズはいいや」となり、ボディ>マウントアダプタ>レンズの順に売れる可能性が高い気がする。

ミラーレス一眼は一眼レフより完全優位ではない

一眼レフとミラーレス一眼ではどちらにも完全なる優位性はなくて、大半の人は「フルサイズのミラーレスにはそれなりのメリットがあるけどデメリットもあるから、当面は一眼レフと2台体制にしよう」となり(少なくとも自分はそうで現在SONY αシリーズとCanon EOSシリーズの2システム体制)、レンズを増やす中で「ミラーレス一眼でしか使えないマウントではなく、どちらでも使える一眼レフのマウントを買おう」となり、ミラーレス一眼のボディは売れてもレンズの売れ行きには苦戦して、SONYのように計画通りミラーレス対応レンズが発売されるかが心配である。

もちろん、メーカーとしては一眼レフとミラーレス一眼の相乗効果を狙っていて、最終的にレンズを買ってくれればどっちでもいいとの判断もあるかもしれないが、ユーザとしてはあまり望ましくない展開だろう。

まとめ

「NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct」や「RF50mm F1.2 L USM」のようなポテンシャルの高そうなレンズが控えていること、スペックシート以上にユーザが一眼レフを置き換えてもいいと思うくらいのボディであればこの心配も杞憂に終わるかな、と。

ただ、SONYは一眼レフの資産を活かさずにEマウントFEレンズでシステムを作り上げてきて、「ミラーレス一眼のSONY」の地位を築いたのに対して、NikonやCanonは既存の一眼レフの資産との棲み分けは避けて通れないと考えている。

また、SONYは先行者利益でNikonやCanonユーザを一定数取り込んでいたが、今やNikonもCanonも既存ユーザがSONYをはじめ他社への転出を防ぐ為に出した感じはスペックシートや価格、レンズバリエーションから見ても否めないのが率直な感想である。

最後に

個人的にはSONY α7R IIを使っていてそれなりにレンズも揃っている今、Z7/Z6もEOS RもわざわざSONY α7R IIから乗り換えるだけのメリットは発表された資料や実際に触った人のブログを読んだりYouTubeを見ても感じられなかった。

EOS Rはマウントアダプタを買えばCanonのEOSシステムを活かせるし、バリアングルモニターや電源OFF時にシャッターが閉じる仕組み(レンズ交換でホコリやゴミを気にしなくていい)はいいと思ったが、操作系がEOS 6Dや2桁機寄りなので使い勝手が変わるのがいただけず。次に期待かな?