Canon EOS Kiss X7が売れている理由を考える
キヤノン EOS Kiss X7は本当によく売れている一眼レフであり、この数年カメラ市場が縮小する中では珍しいベストセラー商品となっている。
これは「安いから」のひと言では済ませない魅力があって、かく言う私もレンズキットモデルを購入してEFマウントデビュー。
それから、EOS 7D Mark II、EOS 5D Mark IVと買ってキヤノンにお布施EFマウントのレンズシステムを構築したことから、Canon EF50mm F1.8 IIが撒き餌レンズなら(敢えて、STMの方ではない)EOS Kiss X7は撒き餌カメラかもしれない。
一眼レフのダブルレンズキットが41,232円!
今日(2016/10/05)のカカクコムの最安値が41,232円。
これにレンズフィルタ、SDカード、レンズペンを買っても50,000円でお釣りが来るので、大学生でもアルバイトをちょっと頑張れば1ヶ月で一眼レフデビューも十分可能。
ダブルズームレンズキットでこれより安い「SONY α58 SLT-A58Y ダブルズームレンズキット」はキヤノンと比べてサードパーティのレンズラインナップが少ないので、完全にキットレンズを使い潰すつもりで割り切って買う分にはいいが、一眼レフの命はレンズなので、後々にレンズが豊富なキヤノンマウントが羨ましくなるので要注意(経験談)。α58は生産・販売終了
この他にもX7より安い機種があったとしても、店頭からは撤収されているものが多いので、実際に店頭で触れてから決められるのもメリットの一つである。
スペックは必要条件を満たしている
CMOSセンサーがAPS-Cの1800万画素は最近の主流である2000〜3000万画素には届かないが、A3サイズのプリントには十分耐え、多少のトリミングも問題なく、むしろ画素数を少なく抑えているので理論上は暗所に強いとも言える。まして、FacebookやInstagramなどソーシャルへの投稿であれば心配ご無用だ。
その他、カメラの基本性能となるAFや連続撮影も、TTL二次結像位相差検出方式の9点AF(中央クロス測距、F2.8 対応・縦線検出)、最高約4コマ/秒の連続撮影と初心者には何を言っているかさっぱりかもしれないが、エントリーモデルとして見れば十分な性能である(安かれ悪かれではないことだけわかってもらえれば)。
また、タッチパネルを搭載しているのでタッチシャッターができたり、液晶モニターが高精細の3インチ104万ドットで(コンデジに多いが)ドットが粗くてピントが合ってるかわからないなんてこともない。
世界最小・最軽量の一眼レフ!
キャッチコピーの「手の中に、一眼レフ。」は、世界最小・最軽量(116.8x90.7x69.4mm 407g )として発売されて今もこれを超えるコンパクト一眼レフは出てきておらず、パンケーキレンズでも付ければミラーレスといい勝負ができる。
一眼レフデビューしたばかりの人はまずカメラを持ち歩くクセを付けるところから始まる。デカくて重たいカメラはそれなりにスペックがいいが、カメラは持ち歩いてなんぼのもの。日常使いのカバンをカメラ基準で選ぶくらいになればこの関門はクリア。
安い!キレイ!コンパクト!よく見かけるユーザ層は…
X7は発売から3年以上経っても毎週の売上ランキングの上位に居座っているだけあって老若男女問わず持っているのだろうけれど、個人的に一番よく見かけるのはディズニーランド(シー含む)。
X7は10代女子のディズニーファンに支えられている…かも?
カメラが趣味になってからは観光地や街中でカメラを持っている人を見かけると、ついメーカーや機種を見るクセがつく。特に女性で一眼レフを持っていると余計…
そんなカメラ女子を頻繁に目にする場所の一つがディズニーランドで「ディズニー大好き!年パス持ってます!年間30回くらい来てます!」的な感じの(推定)10〜20代の女子。
自分はあまり足を運んでいないのでかなりアバウトな統計だが、Canon EOS Kiss X7が一番多くて、次点はオリンパスのミラーレスが多いかな。
彼女たちはあくまでもミッキーやミニーといったキャラクターの撮影が目当てで、カメラへの強いこだわりはなく、安くて・遠くまで・暗くても・撮れるニーズを満たすカメラを探した結果がX7のダブルズームレンズキット。
オリンパスのミラーレスは宮崎あおいの宣伝効果やマイクロフォーサーズで「センサーは一眼レフ以下コンデジ以上だけどコンパクトでカワイイ」なのがウケているのかもしれない。機種まではわからないけど、OM-DではなくPENが多い。
ちなみに自分がディズニーランドへ行く時は人混みの中でのレンズ交換、長い待ち時間の肩への負担を避けるべく、カメラはX7でレンズは高倍率ズームの18-200mmにする。
EOS 7D Mark IIを買ってこれはお払い箱行きかと思ったけどコンパクトがゆえに出番がある。
サブ機としても
この他、海外の旅行先では年齢・性別・国籍問わずよく見かける(Kissは国内のみのブランドなので海外ではEOS Rebel SL1、100D)。恐らくは預け荷物の重量制限やがある以上は、カメラは軽く、レンズは最小限にする必要に迫られてのX7であったり、盗まれたとしても諦めがつくX7、またはメインがなんだかの理由で故障した場合のサブとしてのX7のニーズもあると思う。
あとはやっぱり、外人の女性に多い。日本に来ている人を見てもミラーレスやコンデジはほとんどいなくて、だいたい一眼レフ。よく似あってる。
最後に
別に今回は何か目的があって書いたわけでも、新しいカメラとして検討しているわけでもないが(既に持ってるし)、ただ何の気無く一眼レフデビューを考えている人にオススメするネタとして書いた。
キットレンズからの撒き餌レンズ、単焦点レンズとレンズ沼にハマっていって欲しいな。