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今日は何を撮りに行こうかな?

20万円以下キヤノンの超広角ズームレンズ(フルサイズ)を比較・検討してみた【2016年秋】

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キヤノンEFマウントのフルサイズデビューは当分先のつもりでレンズシステムを構築していたが、泡銭でEOS 5D Mark IVを手に入れたことでその計画は大きく崩れることになった。

ちなみに、今回も5D4を買う前から「ど・れ・に・し・よ・う・か・な」と選んでいたので、かなり文字数は多め(約6000文字)になっているので予めご了承を。

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フルサイズに対応した超広角ズームレンズがない

EFマウントのレンズシステムを構築する上でAPS-C機のEOS 7D Mark IIを当分使う前提でAPS-C専用のレンズも買っていたので、同じEFマウントでもフルサイズ機では歯抜けとなってしまう。

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超広角レンズだけはAPS-C機にフルサイズ対応レンズを買っても焦点距離が1.6倍となり16-35mmだと約24-55mmの標準ズームレンズの画角となってしまうので、フルサイズデビューした暁には超広角ズームレンズの購入は必須であった。

EFマウントでフルサイズ対応の超広角ズームレンズ

価格コムのスペック検索で次の条件を入れて現在発売されている『EFマウントフルサイズ対応の超広角レンズ』のラインナップを抽出する。

検索条件
  • キヤノンEFマウント
  • フルサイズ対応
  • 焦点距離(ワイド側)12~18mm
  • 20万円以下

対象レンズは4メーカー7本

上記の検索条件での結果は4メーカーで7本。レンズ名横の金額は新品の底値ではなく、家電量販店やアマゾンなどで販売されている価格を目安に記載。また『いいね!』と『うーん…』は各レンズの仕様を見たり、レビューや口コミを読んで声が多かったものを中心に記載。

Canon EF17-40mm F4L USM 約92,000円

2003年にキヤノンより発売されたLレンズ。

いいね!
  • 超広角レンズでは珍しいテレ端40mm
  • ズーム全域で開放絞り値F4
  • 重量475gは今回比較する中ではダントツで軽い
  • ズームやフォーカスで鏡胴が伸びない
  • フルタイムMFに対応
うーん…
  • 発売時期が2003年と古い
  • 手振れ補正機構がない
  • フィルタ径が82mmと大きい
  • 後継のCanon EF16-35mm F4L IS USMと価格差がわずか

Canon EF16-35mm F4L IS USM 約117,000円

2014年にキヤノンより発売されたLレンズ。

いいね!
  • 発売時期が近い(新しい)
  • 超広角レンズで定番の16-35mm
  • 4段分の手振れ補正機構
  • 価格コムのランキングでは11位と今回比較する中でトップ
  • ズーム全域で開放絞り値F4
  • ズームやフォーカスで鏡胴が伸びない
  • フルタイムMFに対応
うーん…
  • 特になし

Canon EF16-35mm F2.8L II USM 約175,000円

2007年にキヤノンより発売されたLレンズ。

いいね!
  • 超広角レンズで定番の16-35mm
  • ズーム全域で開放絞り値F2.8
  • ズームやフォーカスで鏡胴が伸びない
  • フルタイムMFに対応
うーん…
  • 2007年発売でIIIが今年8月に発売
  • 手振れ補正機構がない
  • フィルタ径が82mmと大きい

SIGMA 12-24mm F4.5-5.6 II DG HSM 約78,000円

2011年にシグマより発売されたレンズ。

いいね!
  • 今回比較する中で一番のワイド端12mm
  • EFマウントでは珍しい偶数絞り羽数(6枚)
  • ズームやフォーカスで鏡胴が伸びない
  • フルタイムMFに対応
うーん…
  • フォーカス・ズームリングはニコンと同じ方向に回転する
  • 前玉が出ていてフィルター装着不可
  • フレアやゴーストが出やすい
  • F4.5-5.6で手振れ補正機構なし
  • 周辺部の解像力に難あり
  • テレ端24mmは少し物足りないかも

TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD (Model A012) 約100,000円

2014年にタムロンより発売されたレンズ。

いいね!
  • 発売時期が近い(新しい)
  • ズーム全域で開放絞り値F2.8
  • 2.7段分の手振れ補正機構付き
  • ズームやフォーカスで鏡胴が伸びない
うーん…
  • フォーカス・ズームリングはニコンと同じ方向に回転する
  • 前玉が出ていてフィルター装着不可
  • フレアやゴーストが出やすい
  • 重量1100gは今回比較する中で最も重たい

Tokina AT-X 17-35 F4 PRO FX 約58,000円

2011年にトキナーより発売されたレンズ。

いいね!
  • ズーム全域で開放絞り値F4
  • 今回比較する中で一番安い
  • ズームやフォーカスで鏡胴が伸びない
  • ワンタッチフォーカスクラッチ機構
うーん…
  • フォーカス・ズームリングはニコンと同じ方向に回転する
  • ワイド端があと1mmあれば
  • 手振れ補正機構がない
  • フィルタ径が82mmと大きい
  • 絞り開放での解像力に難あり

Tokina AT-X 16-28 F2.8 PRO FX 約82,000円

2010年にトキナーより発売されたレンズ。

いいね!
  • ズーム全域で開放絞り値F2.8
  • 開放絞り値F2.8通しでも安い
  • ズームやフォーカスで鏡胴が伸びない
  • ワンタッチフォーカスクラッチ機構
うーん…
  • フォーカス・ズームリングはニコンと同じ方向に回転する
  • フレアやゴーストが出やすい
  • 前球が出ていてフィルター装着不可
  • ズーム倍率が2倍以下(1.75倍)
  • 手振れ補正機構がない
  • 重量950gと重め

超広角ズームレンズ購入予算の上限を考える

レンズは原則として『良いもの≒高いもの』なので、価格が高い順に並べれば上が良くて、下はどこかしら妥協しなければならないポイントがある。

ただ、レンズは上と下の価格差が何倍もあるので、いくら『レンズは資産』と言ってもプロとしてカメラで生計を立てているわけでもないのでレンズに投資してもリターンは基本的に自己満足でしかない(逆に自己満足だからこそ、ってのもあるが)。

その自己満足を得るための予算を財布と相談した結果…今回の予算は10万円と決まった。その根拠…と言うほどしっかりしたものではないが、、

  • レンズの最低ライン +3万円
  • 超広角レンズ +4万円
  • EFマウント(リセールバリュー) +1万円
  • フルサイズ対応 +3万円
  • 海外旅行や長期旅行では一眼レフよりミラーレス -1万円

超広角レンズはこれまでの経験から『高い≒良い』は顕著で、FEレンズのSEL1635Zは高かったがとても満足度は高く、「とりあえずあればいいや」とSEL1635Zの約1/3で買ったEFマウントのSIGMA 10-20mm F3.5 EX DC HSMは四隅などが気になってドナドナ。

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次に買った8-16mm F4.5-5.6 DC HSMもそれ程高くはなかったが、クセ強い個性的なレンズと割り切って使っていたので超広角レンズの最低ラインを 3+4=7万円。

また、フルサイズ対応で +3万円、万が一買い取りに出した場合にキヤノンとニコンはわずかに高く買い取ってくれるので +1万円、ただ、海外旅行は荷物を減らしたい&キヤノンやニコンの一眼レフの高級機は盗難に遭う確率が高くミラーレス(α7)となり撮影機会が減るので -1万円。以上、締めて10万円。

個人的に検討していきたい3本のレンズ

ひとくちに10万円と言っても、上で掲載している価格はあくまでも新品の場合で中古(状態:良品以上)を含めれば選択肢の幅は広がる。

  • Canon EF17-40mm F4L USM 約55,000円 (-37,000円)
  • Canon EF16-35mm F4L IS USM 約100,000円 (-17,000円)
  • Canon EF16-35mm F2.8L II USM 約107,000円 (-68,000円) 
  • SIGMA 12-24mm F4.5-5.6 II DG HSM 約50,000円 (-28,000円) 在庫×
  • TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD 約86,000円 (-14,000円) 在庫×
  • Tokina AT-X 17-35 F4 PRO FX  約45,000円 (-13,000円)
  • Tokina AT-X 16-28 F2.8 PRO FX 約82,000円 (0円) 在庫×

※カッコ内の数字は新品との差額、また在庫×は在庫がなかった又は限りなく少なかった

なんと7本中6本が対象となり、唯一外れたCanon EF16-35mm F2.8L II USMだってたったの7,000円しか足が出ていない。そうは言っても流石に候補が多過ぎるので、手振れ補正機構は欲しいとの思いから『手振れ補正機構』を追加すると一気に減って2本に。

  • Canon EF16-35mm F4L IS USM 中古約100,000円
  • TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD 新品約100,000円

そして、この2つの仕様を並べてみるとこんな感じ。

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主な違いは、焦点距離、明るさ(開放F値)、フィルタの装着可否、重量となる。

手持ち夜景や将来的には天体(星空)を撮ったりしたいので開放F値2.8はとても魅力的であるが、フィルタを付けられないこと(PLフィルタを付けたい)と重量が倍近くあるのがいかんせん妥協しがたいポイントである。

また、タムロンの同レンズは中古市場にあまり出回っていないので中古価格での購入は難しく、支払う額は中古のCanon EF16-35mm F4L IS USMと新品のTAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USDでどちらも10万円。

そうなると、「中古より新品が…」とはいかないのがカメラのレンズであって、カメラメーカー純正レンズは中古と新品の差を埋めるだけのメリットがあるし、重量やフィルタを考えれるとCanon EF16-35mm F4L IS USMが優位かな。

しかし、Canon EF16-35mm F2.8L II USMが後継機のIIIが発売されて中古市場にが大量に出回っているからか中古良品の約107,000円はかなり魅力的だ。

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F2.8を得ることによって、フィルタ径が大きくなり、手ぶれ補正機構/絞り羽根を2枚/1樋口一葉と2野口英世を失うが、交換条件としては決して悪くないんだなぁ〜

 

おまけ:SIGMA 12-24mm F4 DG HSM Art

今年のフォトキナで発表されたSIGMA 12-24mm F4 DG HSM Artは上述のSIGMA 12-24mm F4.5-5.6 II DG HSMのリニュアルとなり、開放絞り値F4通し、高級なガラスをふんだんに使い、防塵防滴加工もされていることから、日本での発売価格は公表されていないがアメリカのB&Hでは1,599USDであることから16万円前後でLレンズと同じ土台になる。

EマウントのマウントアダプタMC-11にも対応するけど、Eマウントの超広角ズームレンズはSEL1635Zがあるのであまりメリットにはならないかなぁ…あと重量もかなりヘビーになって1150g。

 

最後に

今回は比較・検討ということでまだポチっていないが気持ちは、

Canon EF16-35mm F4L IS USM ≧ Canon EF16-35mm F2.8L II USM > TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD って感じ。

5D4購入時にもらった楽天ポイント(10月末まで)を使うつもりだから、あと1ヶ月で決めなければいけない。F4…F2.8…