【実写レビュー】SIGMAの超広角ズームレンズ8-16mm F4.5-5.6 DC HSMを1ヶ月間使って思ったこと
先月購入したSIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM。
ようやくレビューできるだけの枚数が撮れたのでレビュー編(今回はちょっと画像・作例多め)。
8mmと16mmの世界
このレンズの一番のウリは8mmの超広角。
そこで「8mmと16mmでどれだけ違うか?」がわかるように同じ場所から撮ってみた。
青山善光寺
このレンズを買った翌日に撮影。
Canon EOS 7D Mark II | 16mm F8 1/40 ISO125
Canon EOS 7D Mark II | 8mm F8 1/40 ISO100
隅田川とスカイツリー
16mmでは写っていなかった手前の川辺がバッチリ写っている。
Canon EOS 7D Mark II | 16mm F8 1/30 ISO100
Canon EOS 7D Mark II | 8mm F8 1/30 ISO160
東京スカイツリー周辺
特に注目すべき点はなく「こんな感じ!」ってのを。
Canon EOS 7D Mark II | 16mm F8 1/30 ISO100
Canon EOS 7D Mark II | 8mm F8 1/40 ISO100
フレアとゴースト
太陽を入れ思いっ切り絞って光芒を出す『光条撮影』は超広角レンズの定番であり醍醐味。どれくらいフレアやゴーストが出るかを試してみた。
東京駅
かなり強い光芒(光条)が出ている上に、ゴーストも派手に出ている。
だが、嫌いじゃない。
Canon EOS 7D Mark II | 8mm F22 1/80 ISO100
手取湖
Canon EOS 7D Mark II | 8mm F22 1/125 ISO100
金沢城
Canon EOS 7D Mark II | 8mm F22 1/40 ISO100
Canon EOS 7D Mark II | 16mm F22 1/30 ISO250
Canon EOS 7D Mark II | 8mm F22 1/40 ISO100
前玉が突出しているのもあってそれなりにフレアやゴーストは出ていが、個人的には「レンズの味」派なので無問題。
いろいろ撮ってみた
一部はRAW現像時に色や水平・垂直の微調整しているので、その辺は予めご了承を…
旧前田侯爵邸和館&洋館
超広角レンズは風景撮りだけではなく、室内の限定的なスペースでも役に立つ。
不動産情報サイトでの室内画像も超広角レンズを使用しているが多い。
Canon EOS 7D Mark II | 8mm F4.5 1/30 ISO400
Canon EOS 7D Mark II | 8mm F4.5 1/25 ISO1600
Canon EOS 7D Mark II | 8mm F4.5 1/30 ISO500
Canon EOS 7D Mark II | 16mm F5.6 1/100 ISO100
サクラ
最短撮影距離はズーム全域24cmで被写体にかなり寄れる。
Canon EOS 7D Mark II | 16mm F8 1/60 ISO100
浅草寺
Canon EOS 7D Mark II | 8mm F4.5 1/30 ISO1600
Canon EOS 7D Mark II | 8mm F4.5 1/30 ISO320
新幹線(東京駅)
広角端8mmの強烈なパースペクティブ。
Canon EOS 7D Mark II | 10mm F8 1/400 ISO100
Canon EOS 7D Mark II | 8mm F8 1/125 ISO100
一転して、望遠端の16mmの歪みはほとんどない。
Canon EOS 7D Mark II | 16mm F8 1/125 ISO100
越前大野城
Canon EOS 7D Mark II | 8mm F8 1/80 ISO100
Canon EOS 7D Mark II | 16mm F8 1/500 ISO100
金沢城・兼六園
Canon EOS 7D Mark II | 8mm F5.6 1/500 ISO100
Canon EOS 7D Mark II | 8mm F6.3 1/60 ISO100
Canon EOS 7D Mark II | 16mm F8 1/100 ISO100
Canon EOS 7D Mark II | 16mm F5.6 1/200 ISO100
総評
作例はこの辺にしてこのレンズを1ヶ月使って思うこと。
Canon EOS 7D Mark IIとの相性バツグン
透かしの入っている画像はすべてCanon EOS 7D Mark II(7D2)で撮った。
サブ機のEOS Kiss X7を一度も使わなかったのは、レンズがそれなりに重たいので7D2の方がボディとのバランスが取れていること、F8まで絞って風景を撮っていると被写体深度が深いのでAFポイントが多い7D2の方が使い勝手が良い(親指AFって手もあるけど…)。
レンズフードに注意
7D2を使っていた理由はもう一つあって、スリムな鏡筒なのでたまにフードに指が掛かって写り込むことがある。右下に注目。
「X7の視野率95%では見落とす可能性があるから、視野率100%の7D2がいいよね」って書きたかったけど、これは7D2で撮ってたんだなぁ…(気付いてなかった)
前玉にはやっぱり気を使う
前玉が出ているのはどうしようもないので、移動中は原則としてキャップ(通称:茶筒)を付けるようにしている。
光条撮影をすると指紋や汚れが写ってしまうので、汚れたらすぐにレンズペンで拭けるように用意しているけど、デリケートに扱っているからか思ったほどは汚れず、寧ろホコリの付着が多いのでブロワーの方が必要かも。
あと、インナーズームがいいね。個人的にズームレンズの伸びて出てくる見た目がチョット…
解像感とF4.5-5.6
(以前に使っていた)SIGMA 10-20mm F3.5 EX DC HSMで気になっていた、四隅の甘さ(色収差)はこのレンズでは気になるレベルではない。
F4.5-5.6と明るくもなくズーム域でF値が変わるレンズだけど、F8まで絞って日中の風景を撮っているのでこれもほとんど気にならない。しいて言えば、旧前田侯爵邸和館&洋館のように室内で光が足りないような場所で撮っている時に「ISO感度が少し上がってるなぁ」と思った程度。
8mmは楽しい
8mm(35mm換算で約13mm)は思っている以上にあれもこれも写るので、帰ってから整理していると何を伝えたいか(主題は?)が、非常にわかりづらくなっていることが多い。
「写真は引き算」と言うけど、8mmでどうやって主題を引き立たせるか考えさせられ、かえってそれが構図をより意識するきっかけにもなって良いのかな、とも。
逆に、広角端8mmでトリミング&水平調整なしで撮れていた時の喜びは一層強い。
キヤノンAPS-Cの超広角レンズとして
この1ヶ月間使ってみて、非常に満足度の高いレンズだった。
これは間違いなく、キヤノンAPS-Cでオススメの超広角レンズ。
最後に
このレンズを持ち歩く時はよく『SIGMA 30mm F1.4 DC HSM』をカバンに忍ばせている。使いやすい30mm(35mm換算で約50mm)の焦点距離でF1.4の明るいレンズと8-16mm/f4.5-5.6の不足を補う意味もあるが、軽いレンズであることも理由の一つ。
8-16mm/f4.5-5.6が555g、30mm/f1.4が435gなので120gしか変わらないが、鏡筒の長さの違いなのか首から下げた時の負担はかなり軽減されている気がするので、明るい単焦点レンズを1本用意しておくと何かと便利だと思う。