Synology DS416playのNASを導入~1ヶ月使って感じたこと【短期使用レポート】
あーだ、こーだ言いながらもようやく購入したSynologyのNAS DS416playをクリスマスにセットアップして年末年始にかけて初期設定からデータ移行、機能追加をして現在は安定して稼働しているので感じたことをつらつらと…
アンボックス
アンボックスとは言え一つ一つ同梱されているものを説明するわけではなく買ったもののおさらい。
Synology DS416play。
側面にガッツリとメーカーロゴが入っているが吸気も兼ねている。
NASに搭載するHDD 3.0TB×4台はズッシリ。
3.5インチHDDであればドライバーなしでマウントできるのが地味に嬉しい。
諸々の設定
いくつか気になった機能やサービスを重点的に。
初期設定
LANケーブルをルータに挿して電源を入れてブラウザで【http://find.synology.com】を叩いてしばらくするとNASが見つかる。
HDDの初期化と合わせてDSMのダウンロードとインストールが始まる。
管理者アカウントの作成画面。
この先もいくつか設定があったけど省略…そしてDSMのデスクトップへ。
デュアルLANに固定IPを払い出し
NASはネットワーク内だけでなく外部(インターネット)からの接続もあるのでポート開放をするのに固定IPを払い出す(LAN1:192.168.0.51、LAN2:192.168.0.52)。
LAN1とLAN2の使い分け
LAN1は無線ルータ直結、LAN2はHUB経由にしている。
デュアルLANモデルだがアプリケーション側で使用するLANポートの設定ができるもの・できないものがあるので、ファイル共有とそれ以外(外部との接続やアプリケーション)はLAN1、ファイル共有とTime MachineのバックアップをLAN2とした。
プロトコルはWindows、Mac、Android、iOSとOSが混在しているので、SMB接続とAFP接続を使えるようにしている(FTPは検討中)。
フォルダとアカウントの作成とアクセス権の設定
ネットワーク内に自分以外が入らなければアクセス権は無視できるが、嫁もNASへアクセスするのでアカウントと同名の個人フォルダを作成し個々にアクセス権を設定。この他にデータの受け渡し(共有)スペースを作成してお互いのアクセス権を与えておく。
Time Machineのバックアップフォルダとアカウントも作成しておく(Time Machineのアカウントとフォルダは個人とは別で共有のものとした)。
写真関係を個人フォルダ内に作ってもよかったがNASの購入目的である写真のバックアップ環境を整える意味でLightroomの画像データを保存するフォルダも直下に作成した。
Time Machineのバックアップ設定
Mac miniのバックアップには標準のTime Machineを使っており、これまでは外付けHDDに保存していたがスリープに入ってしまうと手動で電源のON/OFFをしない限りバックアップが取れなくなる。それが1~2日分ならまだしも数週間まったく取れていなかったこともあった。
MacBook AirのTime Machineの保存先も同様に外付けHDDでわざわざUSB接続しない限りバックアップされないので数ヶ月から半年近くバックアップがされないまま…
いずれも保存先をNASに切り替えることによって、HDDがスリープに入っていないか注意を払ったり、バックアップのために外付けHDDをつなげたりしなくても、ネットワークにさえつながれば自動的にTime Machineが動き、バックアップを気にかける必要はなくなる。
Time Machineのバックアップ設定はほとんどなくTime Machine専用のフォルダを作成して、そこに保存するように指定すればあとはパソコン側でTime Machineの保存先を追加・ログインしておけば自動的にバックアップが開始する。
唯一気にしなければならないのがTime Machineは空き容量がある限りはバックアップデータを削除せずに持ち続けるのでフォルダに容量制限を掛けておく(割り当てておく)ことで、Time Machineのデータの肥大化を防げる。
ホームサーバからNASへのデータ移行
ホームサーバからNASへのデータ移行はLAN経由(ファイル共有)で実施した。
Windows 10のエクスプローラからまとめて数TBのデータを送信すると途中で謎のエラーが発生するのでWindowsのファイルバックアップの強い味方【BunBackup】でデータ移行をした(最大で800Mbps程出ていた)。
Cloud Syncでクラウドのデータを一括管理
Googleドライブ、Dropbox、Amazon Cloud、One Drive、BOXの5つが主に使うクラウドストレージサービスだが、端末が増えるたびにこの5つのアプリをインストールして設定するのは面倒だし容量も無駄なので、クラウドストレージのデータをリアルタイム同期するCloud Syncアプリを使うことによってファインダ(エクスプローラ)からNASにアクセスすれば5つのクラウドストレージのデータへアクセスできるようにした。
VPN Serverで外出時もセキュアに
セキュリティが不安なWi-Fiを使う時はVPNを経由してアクセスしていて、この機能がなければホームサーバを廃止できなくなるのでNASにVPN Serverをインストール。これもGUIで簡単に設定ができて無線ルータにはポート開放の設定をする。
当初はiPhoneでもAndroidでも使えセキュリティレベルの高いL2TP/IPsecだけのつもりだったが、なぜか一部のAndoridではL2TP/IPsecが選べても上手くつながらないのでPPTP(PPAPじゃない)も使えるようにした。
外部からの接続となるのでSynologyが提供している無料のDDNSを使用。
Audio StationでなんちゃってApple Music
マルチメディアにも強いNASなので音楽や映像配信することもできて個人的に「これはいい」と思ったのは音楽のAudio Stationだった。
ポッドキャストは配信されると自動的にダウンロードし再生後は一定の条件で削除されるアプリを使っているので不満はないが、問題は音楽の方でAndroidでの音楽管理は今ひとつ有効な手段がない。
iTunes(Mac)でよく聴くもの(Android端末にコピーしたいもの)をプレイリスト化してiSyncerアプリでプレイリスト単位に同期していたが、iTunesストアで1曲購入するごとにプレイリストに加えアプリを立ち上げて同期するのが面倒だったが、NASのAudio Stationアプリがこの問題を解決するのにとても有効だった。
Audio Stationはその名の通り音楽をネットワーク上の機器で再生できるようにiTunesサーバやDLNAなどで配信できるようになるが、Android/iOSにはDS Audioアプリが提供されている。
Synology IDを作成しておけば外にいてもネットワーク越しにNASの音楽データを視聴できて、一度視聴したデータは端末内にキャッシュされ一般的なmp3やm4aなどの音楽ファイルの形式になっているので2度目以降はこのアプリを使わなくてもXperiaだとミュージックアプリなど他のアプリでも再生できる。
通信速度(読込/書込性能)
パソコンとNASの間は有線LANで接続してベンチマークソフトのCrystalDiscMarkを使った結果がこちら(右側は参考として7200rpmの内蔵ハードディスク)
シーケンシャルでのR/W(読み書き)は有線LANのギガビットがボトルネックとなっているが、それ以外の項目においてはNASのキャッシュが効いているのか良好なテスト結果となった。
最後に
ほとんどのデータをNASへと移したところ総容量7.8TBのうち4.1TBとほぼ半分が埋まった。
SHR(RAID 5)として障害に強くなったとは言え、RAIDコントローラや基盤トラブルなどの可能性もある為これまで使っていた外付けHDDはNASのバックアップに転用する。
機能面でも速度面でも不満は無いが、Lightroomで管理しているRAWデータも現像済みのデータはローカルからNASへ移動したがスリープに入るとドライブが切断されフォルダを見失っているのがイマイチ(探索すれば見つかるので問題はないが、、パソコン側の設定で解決するか?)。