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今日は何を撮りに行こうかな?

写真管理を目的としたNAS導入の検討を始めた【前編】

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約4年間の写真(の生データ)を失ったあの惨事による心の傷は今も癒えていない。

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Macのバックアップユーティリティ Time Machineの設定を見直し、同じ轍を踏まないようにはしたが後々のことも考えて「バックアップ環境を見直さなければ…」と思っていた。MacLightroomもカメラを趣味とする上で今やなくてはならないが、そのバックアップを考えるとなかなか奥が深い。

そこで、前編・後編の2回に分けて写真管理の現状とその問題点から改善策を前編、製品比較などを後編として考えてみることにしたので、もし同じようにMacLightroomを使っていて写真管理に悩んでいる人の参考になれば幸い。

現状の写真管理環境の説明

現在の写真管理環境を改めて説明すると、母艦のMac miniには2台の2.5インチドライブが入ることから、SSD(512GB)をシステムドライブ、HDD(1TB)をデータ保存ドライブにしている。そして、Lightroomのカタログ情報はSSDに置いて、RAWデータと現像後のJPEGデータは容量が大きいHDDに置いている。これらのボリューム(SSDとHDD)のバックアップは外付けHDD(3TB)にTime Machineで一括バックアップしている。

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万が一の事態(火災など)に備えてRAWデータはAmazon Cloud Driveスマホタブレットまた家族で共有する目的でJPEGデータをGoogleフォトにアップロードしている。

現状の写真管理環境の問題点

現状でもそれなりにバックアップとして考えられているように見えるかもしれないが、データロストした経験から問題点があると感じている。

問題その1. パソコンの内蔵ドライブにすべてのデータが保存されている

Mac miniはファンやロジックボードを外さないと内蔵ドライブにアクセスできるようになっておらず、SSD化にあたって解体する作業はとても苦労して二度とやるものかと思った。

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しかし、ドライブの故障や容量不足となれば再び解体してドライブを入れ替え、組み直さなければならない。

また、前回のデータロストの一因と思われるBoot Campデュアルブート)でWindows 10を使いボリュームの管理情報が破損、挙句の全フォーマットとなる事態も避けたいので(簡単に取り外せない)内蔵ディスクに写真データ(RAWデータ)を置くような管理は避けたい。

問題その2. プライムフォトへのバックアップとは別でローカルにも

Amazon Cloud Driveはアマゾンのプライム会員であればRAWデータを含めて画像データが無制限に保存できるプライムフォト。

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しかし、前回のデータロストで感じたのが数百GBにも及ぶデータをイチからダウンロードし直すのは現実的ではなかった。

また、消失しなかったとしても現在はプライム会員だと追加費用ゼロで無制限に保存できるが、いつサービスが有料化したり終了するかはわからないので、やはりローカル環境にせめて4~5年分のRAWデータは置いておきたいと思った。

そして些細な問題ではあるが、プライムフォトは手動バックアップなのでデータをSDカードからパソコンに取り込んだだけではバックアップされない。それに、いくら無制限と言っても失敗したり重複している画像まで上げる必要はないので、RAW現像が終わってからプライムフォトにバックアップしているので、取込みから現像の間にディスクが破損してかつSDカードをフォーマットしていた場合はどこにもデータが残っていないことになる。

問題その3. 母艦のMac miniが故障すると復元が大変に

母艦のMac miniのデータのほとんどがTime Machineで外付けHDDにバックアップしていて、"何か"あれば直前の状態に復元できるようにしているが、それはあくまでもディスクの物理・論理故障が前提の話である。

その"何か"が電源が入らなくなった、ディスプレイ出力がおかしくなったなどの理由で新しくMacを購入しなければ復元できない場合、現在のイレギュラーなドライブ構成で購入して復元するのは難しく、せめてRAW/JPEGデータだけでもTime Machineの管理外にしておきたい。

写真管理環境の改善策

これらの問題点のつまるところは、『RAW/JPEGデータをMac miniに入れない』、『約5年分のRAWデータを手元においておく』と考えた時に、RAW/JPEGデータをLAN内にNASを置いてLightroomで管理することが改善の糸口となると考えた(まぁ、タイトルどおり)。

簡易NASNAS

NASと一口に言っても、ルータにUSBポートがあってそこに外付けHDDを接続するだけの簡易NASと呼ばれるものから、複数ドライブを格納してRAIDを組んだり、機能追加でクラウドサービスと自動同期をとったり、インターネットからのアクセスを受け入れたりするものまで様々である。

『写真管理を目的に』としていることから、NASにデータを置くとなれば相応の転送速度を求めることとなるので簡易NASは除外となる。また、NASの中でもディスクが購入時点から内蔵されているものとそうでないものがあって、一つの傾向として内蔵されているものはファイル共有が主で他はおまけレベル(頻繁にアップデートされない)、内蔵されていないものは機能を追加して色々とカスタマイズできたり、スペック表を見ればCPUやRAMについて書かれていたりするレベルのものも。

また、ディスクが内蔵されているものにはドライブが1台しかなかったり、ディスク交換ができないものがあったりして、それなりにこだわってバックアップ環境を整える以上は、ディスク交換をしながら長く使えることが望ましいのでディスクはオプションで選べるものとする。

2ベイと4ベイ

そのままだがNASに格納するドライブの数が2つのものを2ベイ、4つのものを4ベイと言い、5ベイ以上のものもあるが価格が高いし、3ベイもあるにはあるが中途半端だからか数は少ない。ベイの数が多いほど大容量のNASを組めるが、それだけではなく2ベイと4ベイでは組めるRAIDのバリエーションが変わってくる。

2ベイだとRAID 1で実容量は1台分

2ベイだとRAIDはデータを分割して記録(ストライピング)することで高速化するRAID 0と、同じデータを2つのディスクに書き込む(ミラーリング)ことで対障害性を向上させたRAID 1である。しかし、大切なデータを保存するNASRAID 0で組むのはあまり現実的ではないので、必然的にRAID 1を選ぶこととなり実容量は1台分となる。

4ベイだとRAID 5RAID 6

4ベイだとRAID 0RAID 1に加えてRAID 5RAID 6にも対応している。

RAID 5だと全ディスク台数から1台のディスク容量がパリティとして使用するため、3TBのハードディスクを4台積んだ場合は、3TB×4台-3TB×1台=9TBが実容量となって1台の故障のみ回復可能。

RAID 6だと全ディスク台数から2台のディスク容量がパリティとして使用するため、3TBのハードディスクを4台積んだ場合は、3TB×4台-3TB×2台=6TBが実容量となりRAID 5より少ないが、2台同時に故障しても回復可能。

2ベイだとRAID 1、4ベイだとRAID 5

2ベイで購入する場合は冗長性のないRAID 0の選択肢はないのでRAID 1となり実容量は1台分。

4ベイで購入する場合はRAID 5RAID 6となるが1台が故障して回復するまでにもう1台も故障する可能性まではあえて考慮しなくてもいいかなと思っているのでRAID 5が現実的なところとして落ち着くかなと。

あとは、必要なディスク容量だが最低でも4TBは見ておきたいが、ホームサーバに散らばっているデータやTime Machineも併せて管理するのなら8TBくらいは欲しいと思うが、2ベイで8TBのHDDを2台買うよりも、4ベイで3TBのHDDを4台買った方が安上がりだったりしてこの辺の損得などは製品名を出して後編でやるつもり。

最後に

データロストを100%防ぐことはできないにしても、カメラやレンズは買い直せてもデータは買い直せないのでそれなりにお金を出してでも、そこそこな容量でそこそこ使えるものとしてNASを導入したいと思っている。そして、『写真管理を目的に』としているが、恐らくはそれ以外のデータも含めた一極集中の形を目指したいと考えている。

ちなみに、NASではなくサーバとして1台組み上げる手も考えなかったわけではないが、セキュリティや共有設定、機能を追加にあまり労力を掛けたくなかったし、消費電力や騒音がNASの方が小さいのでサーバではなくNASを選んだ。

そんなわけで、次回の後編では実際に製品を選ぶのにアレコレ思ったことを書こうと思う。